【60代/男性】借金1000万円超の免責を受け、治療に必要な保険を維持できたケース
1.事案
川口市在住の60代男性の方からのご相談。
定年退職後の退職金を使っての事業援助などがうまくいかず、行き詰まって債務の返済が難しくなったため、当事務所にご相談に来られました。
借入業者数:7社
借金総額:約1000万円
保有資産:生命保険(解約返戻金50万円以上)
自動車(年式が古いもの)
2.方針の決定
お客様のご収入は年金のみであり、他方、債務額は多額であったため、自己破産手続きが妥当な案件でした。
本件の特別な事情として、お客様は持病があり、生命保険に付帯していた医療保険による保険金の支払いが不可欠であったところ、解約返戻金が多額であり、保険の維持が出来るのかという問題がありました。
しかし、お客様の収入・貯蓄から返済を継続的にしていくことは現実的でないため、最終的には破産の方針で整理することになりました。
3.弁護士の活動
お客様との委任契約後、弁護士が各債権者に受任通知を送付し、債権者による督促を止めました。
その後、特に財産関係・返済不能に至った経緯について詳しくお客様から聞き取りをし、必要となる資料を収集しました。
また、持病に関する資料も積極的に収集しました。
資料収集後、管轄の裁判所である埼玉の裁判所に破産の申し立てを行いました。その際、依頼者に持病があること、今後の生活の立て直しのためには保険を維持する必要があることを上申書でまとめました。
破産手続き開始決定後、解約返戻金のある保険について自由財産の拡張の申立てを行い、保険維持の必要性と許容性について、丁寧に主張しました。
4.当事務所の関与結果
当事務所の活動の結果、自由財産の拡張が認められ、保険や自動車などについて維持できることになりました。
管財人が選任された後も、お客様と協力して管財人の調査に積極的に協力し、その結果、無事に免責許可の決定が出され、お客様の借金約1000万円はすべて免責となりました。
解約返戻金のある保険についても無事に維持できることになり、お客様からは、「正直、今後の治療は諦めるしかないと思っていた。本当に助かった。」とのお言葉をいただきました。
破産手続きの場合には、財産は失うことが原則ですが、生活再建のために特に必要な事情があるときには、裁判所に丁寧に説明することで、自由財産の拡張を認めてもらえることもあります。
借金問題でお困りの方は、是非、川口総合法律事務所にご相談ください。
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