住宅ローンの返済が苦しくなった場合の対策

住宅ローンは、35年~30年の長期にかけて返済していくのが一般的です。

この30年に渡る住宅ローン返済の間には、病気や事故による休職・離職や不景気によるリストラ、教育費の増加、親の介護問題など、様々な理由から返済が苦しくなるときがあると思います。そのような場合、どのような対策があるでしょうか。

1 住宅ローンの借り換え

住宅ローンの借り換えとは、現在住宅ローンを借りている金融機関(銀行など)から、別の金融機関に、住宅ローンを借り直すことをいいます。現在の住宅ローンよりも低い金利でローンを借り直す事が出来れば、返済の総額を減らすことができます。

20年前に比べて、現在の住宅ローンは金利が大幅に下がっており、住宅ローンの借り換えを積極的に進めている金融機関もあります。但し、借り換え手数料がかかる場合もありますので、借り直す際には金融機関の説明を良く聞くことが重要です。

2 住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)や銀行などの金融機関への相談

住宅ローンの借り入れ先である住宅金融支援機構(旧住宅金融公庫)や銀行などの金融機関に相談をすることが有効な場合があります。金利の引き下げや返済期間の延長などをお願いすることになります。

返済期間が延長されると、月々の返済額が減りますので、家計が楽になります。返済が苦しい状態が一時的なものであれば、金融機関によってはローン返済計画の見直しをしてくれることもあります。これをリスケジュール(条件変更)といいます。

3 任意売却

任意売却とは、住宅ローンの返済が厳しくなった場合に、各金融機関との合意に基づき自宅を任意に売却処分する手続きです。任意売却は競売よりも高値で売却される可能性が高く、引越し代が出ることもあります。

また、退居日もある程度自由に決めることができるため、新生活を始めることも比較的スムーズです。
なお、自宅に抵当権がついている場合(住宅ローンを借りている場合はほとんどついています。)には、任意売却をするために銀行から承諾を得る必要があります。

任意売却の注意点としては、自宅の価値よりも住宅ローンの残債務(残っているローンの金額)が大きい場合には、自宅を売った後も借金が残ってしまうことです。このようなケースは法的な債務整理も視野に入れる必要があります。

4 債務整理

債務整理は、弁護士などを介入させて借金を整理するものです。代表的な手法として、任意整理と法的整理があり、法的整理には破産と個人再生があります。


任意整理は、業者と話し合って返済期間の延長などを合意し、月の返済額を軽減していく手法です。この方法は住宅ローン以外の借金整理には有効ですが、住宅ローン自体を整理するのは困難です。
なぜなら、住宅ローンは元々長期の返済期間が定められている上、家を担保(抵当権)に取られていることが多く、弁護士が介入すると家が競売にかけられてしまう可能性があるからです。

ただし、住宅ローンはそのままご本人が継続して返済を行い、住宅ローンを除く借金を整理することで家計を楽にするという形での任意整理は可能です。任意整理であれば、家を手放す必要はありません。
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個人再生は、裁判所を通じての借金整理の手法ですが、住宅資金特別条項を利用することで住宅を維持することができます。住宅ローンはそのまま継続して返済を行い、住宅ローンを除く借金を整理するもので、任意整理との大きな違いは、裁判所を通しての整理のため手続きは少し複雑であるという点と、住宅ローンを除く借金総額が大幅に減縮する可能性がある点です。
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破産は、多額の借金によって経済的に破綻し、今後返済を継続していくことが不可能になってしまった場合に、財産を処分して返済に充て、残った借金の返済は免責してもらうという手続きです。住宅ローンの支払いも免責になりますが、自宅は失ってしまうことになりますので、自宅を守りたい方にとっては避けたい手続きになります。


一方、住宅ローンの支払い自体が厳しく、自宅を手放してもやむなしという場合には、選択肢に入ってくる手続きになるでしょう。
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