過払金返還の請求を早くしたほうが良い理由
Q 早く過払金返還の請求をしたほうが良いと聞きますが、理由は何ですか。
A 過払金の返還請求を早くしたほうが良い理由は、主に次の2点です。
①過払金の返還請求は、10年の時効があること
②過払金を請求する業者が破産手続きなどをしてしまうと、回収率が極
端に下がること。
まず①の時効について簡単に説明します。
過払金の返還請求も永遠にできるわけではなく、10年の消滅時効があ
ります。時効とは、権利を行使できる期間の制限のようなものです。
時効になってしまうと、いくら多額の過払金があっても全く回収できま
せん。(正確には、貸金業者が時効の援用をしなければ回収できますが、
そのようなことはまず考えられません。)
時効とは、非常に強力な制度なのです。
過払金返還請求権の時効は「権利を行使できる時」からカウントされま
す。過払金返還請求の「権利を行使できる時」とは、実務上、完済した
最後の返済の時とされています。完済してから10年経つと時効になっ
てしまうのです。
これが過払金返還の請求を早くしたほうが良い理由の1つです。
次に②について説明します。
大手の貸金業者の倒産のニュースを新聞などで見たことがある人も多い
と思います。当時とは経済状況も変化していますが、今も厳しい経営状
態にある貸金業者は多くあります。
これらの貸金業者が破産などの法的整理に入ると、過払金の回収率が極
端に低くなり、過払い元本の3%や2%しかお金が戻らないことも珍し
くありません。
そのため、経営状態が危ない業者に対しては早めに過払金請求を行い、
法的整理に入る前に過払金を回収しておくことが賢明なのです。
過払金返還請求をお考えの方は、すぐにでも専門家にご相談されること
をお薦めします。