過払金返還請求における取引履歴とは／引き直し計算とは

Q　過払金の返還に必要な「取引履歴」とはどのようなものですか。

A　取引履歴とは、顧客が貸金業者との間で行った貸付（お金を借りること。）
　　と返済の履歴のことを言います。
　　「何月何日に、いくらのお金を貸した。」というような情報が一覧になっ
　　ています。

　　過払金の返還を請求するには、取引履歴の存在が前提になります。貸金業
　　者は、顧客の要求に応じて取引履歴を開示する義務があります。貸金業者
　　が故意に取引履歴を隠蔽したり、改ざんしているような場合には、行政処
　　分や損害賠償の対象になることがあります。

　　貸金業者の一部は、過去の取引履歴の一部を廃棄してしまったとして、取
　　引の途中からの履歴しか開示しないことがあります。このような場合には、
　　依頼者の持っている明細や契約書などをもとに取引履歴を再現することに
　　なります。

Q　過払金の請求の際に行う「引き直し計算」とは、どのようなものですか。

A 　引き直し計算とは、これまでの取引を利息制限法の上限利率に従って計算
　　し直すことを言います。

　　かつて多くの貸金業者は、利息制限法の上限利率を超える利率でお金を貸
　　して、利子を取っていました。しかし、利息制限法の上限利率を超える利
　　率は違法であるため、超えている部分については無効となります。
　　そこで、すべての取引を利息制限法の上限利率でお金を貸していたものと
　　して計算しなおし、払い過ぎていたお金がいくらなのかを計算するのです。
　　過払金の返還請求を行う上で、引き直し計算は欠かせない作業ということ
　　が出来るでしょう。