過払金と相続
Q 亡くなった父が昔に借金をしていたことがあり、過払金があるようです。
子である私が請求することができますか。
A はい。相続を放棄したなどの事情がない限り、相続人としての地位にも
とづいて請求をすることができます。
過払金の返還請求は、法律的には不当利得の返還請求権という権利になり
ます。権利者が死亡し相続が発生すると、相続人が権利者の地位を承継し
ます。そのため相続人は、被相続人の権利である過払金の返還請求を自身
の地位にもとづいてすることができるのです。
ただし、相続人が返還請求をすることができるのは、原則として相続割合
の範囲までです。そのため、特にご事情がなければ相続人全員の方にご依
頼いただき、全員で過払金の請求をすることが多いといえます。
相続割合の範囲の請求までで良ければ相続人のお一人だけでも過払金の請
求をすることはできます。
貸金業者に過払金を請求する際には、お亡くなりになった方の除籍謄本や
請求される相続人の方の戸籍謄本が必要になります。
なお、設問では子となっていますが、お亡くなりになった方の妻や親でも
相続人であれば過払金の返還請求権を行使することができます。
ただし、相続の放棄をした場合には相続人としての地位を失ったことにな
りますから、過払金の返還請求をすることはできません。