一部の業者に対する過払い金の返還請求
Q 複数の業者と取引をしていましたが、一部の業者にだけ過払金請求をする
ことはできますか。
A はい。一部の業者にだけ過払金の返還請求をすることは可能です。
過払金の返還請求は、法律的には不当利得の返還請求権の行使になりま
す。権利の行使は権利者の自由な意思に委ねられていますから、過払金
が発生している業者全てに請求をしなければいけないということはあり
ません。一部の業者だけを選択して過払金返還を求めることは自由です。
クレジットカードやETCのカードを使っている場合、そのカードの信販
会社に過払金を請求すると、カードが使えなくなってしまうことがあり
ます。そのような場合には、その信販会社を除いた他の業者のみに過払
金の返還請求をするようなことが考えられるでしょう。
ただし、次のような場合には、弁護士が介入して一部の業者のみの過払
金の返還請求をすることができないことがあります。
「債務が残っている貸金業者」と「完済している貸金業者」があり、前
者の債務がすでに延滞しているようなケースです。
この場合に、後者の過払金請求にのみ、弁護士が介入することは基本的
にできません。
これは「過払金のつまみ食い」と言われ、全体として見ると債務整理が
必要なのに、そこに目をつむって過払金のみを回収すると、債務者の本
当の利益にならないからです。
このような場合には、貸金業者全社に対して介入させていただき、回収
した過払金を借金の返済に回すなどして、借金全体を圧縮ないし消滅さ
せることを目指していきます。
詳細については、是非、債務整理に詳しい弁護士にご相談していただけ
ればと思います。