自己破産と財産の処分
Q 自己破産をすると全ての財産を失ってしまうのですか。
A 自己破産をしても、全ての財産を失うわけではありません。
生活に欠かせない日用品や家財道具は、基本的に処分されません。
また、一定の金額までの財産であれば自由財産といい、手元に残すこと
ができます。
破産手続きは、破産者の財産を処分し、各債権者に公平に分配する手続
です。したがって、破産手続きにおいては、破産者の財産は処分される
のが基本にはなります。
しかし、破産者の持つ全ての財産を処分してしまえば、経済的な更生を
図るどころか日常生活にも困窮し、破産をした意味がなくなります。
そこで、法律は一定の財産を「自由財産」として、換価処分の対象か
ら外すことにしています。
また、裁判所によっては、換価処分の対象とする財産を限定し、
・自由財産を拡張する
・換価価値が無いあるいは僅少といった物は、無価値扱いとする
といった運用をすることで、破産者の財産の一部を処分の対象から外し
ています。
自己破産をしても処分の対象とならない自由財産には、以下のものがあ
ります。
・差押禁止財産
・99万円以下の現金
・破産手続き開始決定後に取得した財産
日用品の多くは差押禁止財産にあたるため、処分の対象にはなりません。
また、古い年式の車や古い家具などは、無価値扱いとされ処分されない
のが通常です。
このように自己破産といっても、ご自身の財産のすべてが失われるわ
けではありません。不安のある方は弁護士に相談をする時に、遠慮なく
ご質問いただければと思います。